「机上で終わらせない」――30年貫いてきた実装主義
野澤:シーポイントを始めてから一度も変えていないのは、「きれいな企画より、現場で動く仕組みをつくる」という姿勢です。
ECでも業務システムでもAIでも、PoCで拍手をもらって終わる仕事には興味がありません。
止まった時に誰が直せるか、運用に乗った後にどう数字で改善していくかまで設計しないと、社会のインフラにはなりません。
だからこそ、日々の仕事は派手さより地味なチューニングの連続。そこに面白さを感じられる人と一緒にやってきました。
静岡の学生と電動バイク――「誰もやらないなら自分たちで」
野澤:象徴的なのが、静岡大学の学生たちと取り組んだ電動バイクです。「こんなの本当に走るの?」というところからのスタートでした。
メーカーでもなく、大きな予算もない。でも、地域に技術の火を灯すには自分たちでやるしかない。
学生と一緒に設計し、汗をかき、壊して直して走らせる。そのプロセスが、のちのロボットやクラウド、海外展開にもつながっています。
「前例がないからやめる」ではなく、「前例がないなら作ろう」と思えるかどうかが、僕にとっての分かれ目です。
地方発グローバル:静岡とベトナムで見えた「まちづくり」
野澤:浜松とベトナムのバリア=ブンタウでやってきて感じるのは、地方には「余白」と「しなやかさ」があるということです。
ITだけでなく、オーガニック農業やロボット教育も手がけているのは、まち全体で循環するモデルをつくりたいから。
一次産業、教育、国際展開がつながると、若い人が地域に関わり続ける理由が生まれます。
地方に根を張りながら、国際都市とフラットにつながる。そのハブをつくるのが、シーポイントの役割だと思っています。
事業承継候補としての1〜3年目ロードマップ
野澤:仮に「次の舵取り役」として入ってくれるなら、最初の3年はだいたいこんなイメージです。
1年目は、IT事業と日越プロジェクトの全体像を把握しつつ、1〜2テーマでPLと現場ディレクションを担う。
2年目は、AI開発や越境ECなど軸になる領域を決め、組織づくりと収益モデルの磨き込みへ。
3年目には、代表としての意思決定にかなり踏み込み、新しい屋号や体制も含めて「自分の会社」として描き始めてほしいと思っています。
「自分のビジョン×シーポイントのアセット」の描き方
野澤:ここは重要で、「会社の色に染まってほしい」とは思っていません。
例えば、あなたが持っているのが「環境にやさしいフードテック」の構想なら、OCAのオーガニック農業やフェアトレードのネットワークと組み合わせられる。
「教育×テクノロジー」に燃えるなら、STEAM教育とAI開発を掛け合わせた新しいスクールやオンラインサービスもあり得ます。
大事なのは、「社会課題」と「自分の野心」を正面から言語化し、そこに既存事業をどう再配置するかを一緒に設計できるかどうかです。
次の10年を託したい人の条件
野澤:条件はシンプルです。まず、「地方から世界水準をつくること」に本気でワクワクできること。
次に、数字と現場の両方から事業を語れること。PLやSLOを握りつつ、現場の温度感も無視しないバランス感覚が必要です。
そして何より、肩書きや社名より「思想」を受け継いでくれる人。シーポイントという名前にこだわりはありません。
チャンスの平等、多様性、循環型社会へのコミットメント。この軸を大切にしながら、自分の色で次の10年を描いてくれる人と、対話を続けていきたいですね。

