AIが加速させたからこそ、浮き彫りになった“人の価値”
ChatGPTが企画を書き、AIがコードを量産する今、「IT企業で働く人間に、本当に求められているものは何か?」とよく聞かれます。創業から約30年、私が現場で見続けてきてはっきり言えるのは、知識量より「泥臭い現場に飛び込めるかどうか」がすべてだということです。どれだけ優れたAIツールがあっても、「実際の工場ラインでは?」「お客さんのオペレーションでは?」と想像し、自分の足で確かめに行く姿勢がないと、机上の計画で終わってしまう。逆に、完璧な答えを知らなくても、「一回やってみましょう」と小さな実験を組み立てられる人は、AIを味方につけながら、現場を少しずつ前に進めていきます。
自走と共創:答えのない現場で“まず一歩”を形にする力
私たちの仕事は、浜松や静岡の工場、ベトナムの農園や教室など、正解が書いていない現場ばかりです。そこで効いてくるのが、自走力と共創力です。誰かの指示待ちではなく、「このフローなら一度こんなプロトタイプで検証できそうです」と自ら提案し、AIにも手伝わせながらサクッと形にしてしまうスピード感。さらに、日本とベトナム、エンジニアと現場担当、世代やバックグラウンドの違うメンバーと対話しながら、「これなら現場で回せるね」という着地点を一緒に探せる柔らかさ。この二つを持つ人は、AIでは置き換えられない“現場を動かすハブ”として、どんなプロジェクトでも頼られる存在になっていきます。
次の10年を託したい「地方発グローバル実装」の担い手へ
私は、自分の背中をそのままなぞってほしいとは思っていません。これまでの30年で積み上げた仕組みやネットワークを、遠慮なく踏み台にしてほしい。浜松という地方都市とベトナムの現場をつなぎながら、AI開発も、オーガニック農業も、ロボット教育も、自分なりのテーマでつないでいける人にこそ、次の10年を任せたいと考えています。「地方から世界に届く仕事をしたい」「現場で汗をかきながら、テクノロジーで社会の当たり前を変えたい」。そんな想いを、やわらかい頭とタフな好奇心で行動に変えていける人と、一緒に現場を面白くしていけたら嬉しいです。

