地方拠点から世界とつながる「共犯者」の仕事
静岡県浜松市。住宅や工場が混ざるローカルな街並みから、日本(静岡・沖縄)とベトナム(ホーチミン・ブンタウ)をまたぐプロジェクトが日々動いています。ここでの仕事は、アイデアを出して「任される」というより、テクノロジー・教育・農業・国際展開を面で編集しながら、一緒に仕掛ける相棒になる感覚に近いです。越境メンバーとのオンライン会議の合間に、近所の空気を吸って頭を整理し、またベトナム側の一次情報をもとに要件を詰め直す。地方の日常とグローバルな現場解像度が同じ机の上に乗っています。
PoCで終わらせない鍵1:SLO/SLI・KPIを先に決める
シーポイントでは、生成AIの社内検索RAGでも、ロボット×クラウド連携でも、「成功を何で測るか」を最初に言語化するところから始めます。SLO/SLIやKPIが曖昧なままだと、PoCが盛り上がっても本番に乗りません。問い合わせ削減率なのか、MTTRの短縮なのか、ECならキャンセル率や在庫精度なのか――数字で合意してから設計に入る。共創するメンバーは、この“ものさし”を現場の言葉に翻訳し、ベトナム側のチームとも共有しながら、机上の企画を「検証可能な仮説」に変えていきます。
PoCで終わらせない鍵2:MVP→計測→改善を短く回す
大きな構想ほど、一度に作ろうとするとレガシー刷新と同じ沼にはまります。そこで徹底しているのが、MVP→計測→改善の短いループ。AI検索なら、まずは一部部署と限定ドキュメントでRAGを組み、ログを取りながら権限や評価指標を磨いていく。ロボット×クラウドなら、ROS2やJetsonで現場テスト可能な最小構成を走らせ、温度や電力、回線の制約をデータで把握する。共創するメンバーは、仕様書よりダッシュボードとログを見て会話し、「どこを次にいじるか」を日越で決めていきます。
PoCで終わらせない鍵3:現場に入り、一次情報で決める
人手不足やDXの掛け声だけでは、業務SaaSもECの在庫管理も動きません。重要なのは、現場に入り、一次情報から要件をつくること。浜松の製造や物流のオペレーション、日本とベトナムの商慣習の違い、教育現場での子どもたちの反応――机上では見えない前提を、自分の目と耳で拾うスタイルです。日越バイリンガル体制で、会計・法務・言語のギャップも含めた「動く要件定義」に落とし込む。共犯者としてプロジェクトを動かす人ほど、チャットだけで完結させず、ログと現場の両方を見に行きます。
リアルな1日:カオスをほどきながら横断する
一日の中で扱うテーマは、AIのプロンプト設計、ECの予約ロジック、WAFの誤検知ログ、ベトナム・ブンタウのカカオ農園の進捗、STEAM教育カリキュラムの相談まで、かなり横断的です。午前に浜松からベトナムチームと業務フローの設計を詰め、午後は社内でダッシュボードを見ながらKPIの見直し。夕方には越境ビジネスの相談に乗りつつ、教育や一次産業との新しい組み合わせをスケッチする。決まっていないこと、矛盾している要望も多い中で、カオスを楽しみつつ「まず小さく動かす」案を出していくのが日常です。
ログを見る力と「小さく作る設計力」をどう鍛えるか
転職前から磨けるポイントもシンプルです。ひとつは、関わっているプロジェクトで「どの数字を見て意思決定しているか」を意識し、ログや履歴から仮説を立てる習慣を持つこと。もうひとつは、理想像を10としたときの「まず2を作るならどこを削るか」をいつも考える癖をつけることです。個人プロジェクトでも構わないので、MVP→計測→改善のサイクルを回し、どこでつまずいたかを言語化しておく。そうした経験が、シーポイントのような共創型DXの現場で、「机上の企画を最後まで運び切る力」につながっていきます。


